ピロリ菌
ピロリ菌

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に生息する細菌で、日本人の感染率は比較的高く、特に中高年の方に多く見られます。ピロリ菌に感染していても自覚症状がないケースも多いため、「知らないうちに感染していた」という方も少なくありません。ピロリ菌は胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となるだけでなく、胃がんのリスクを高めることが明らかになっています。気になる症状がある方、健診で指摘を受けた方は、お早めにご相談ください。
ピロリ菌感染は自覚症状が出にくい場合がありますが、以下のような症状が続く場合は感染している可能性があります。
一つでも当てはまる方は、一度検査を受けることをおすすめします。
ピロリ菌は主に幼少期に経口感染すると考えられており、大人になってから日常生活の中で新たに感染することは比較的少ないとされています。衛生環境が整っていなかった時代に育った方ほど感染率が高い傾向にあります。感染経路としては、昔は井戸水など汚染された水や食べ物を摂取することで感染することが多かったと考えられています。現在は感染者との密接な接触(食べ物の口移しや食器の共有など)による家庭内感染が主な感染経路となっています。家庭内感染が8割程度、それ以外の原因が2割程度とされています。よって、夫婦間ではうつりにくいですが親と子供間(小学生くらいまで)ならうつる可能性があります。また、兄弟姉妹、両親、一緒に住んでいた祖父母などにピロリ菌がいた場合、自分が感染している確率は高くなります。
胃の中は強い酸性環境のため、通常の細菌は生存できません。しかしピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を産生し、胃酸を中和しながら粘膜に定着します。この過程で胃粘膜が慢性的に傷つき、胃炎・胃潰瘍・萎縮性胃炎へと進行します。さらに長期にわたる慢性萎縮性胃炎は胃がんの発症リスクを高めることが研究で示されており、早期発見・早期除菌が重要とされています。
ピロリ菌の検査にはいくつかの方法があります。内視鏡検査と同時に胃粘膜を採取して調べる「迅速ウレアーゼ試験」や「病理組織検査」のほか、内視鏡を使わない方法として、息を吹き込むだけで検査できる「尿素呼気検査」、血液・尿を用いた「抗体検査」、便中のピロリ菌抗原を調べる「便中抗原検査」などがあります。当院では主に尿素呼気検査での判定を行っています。保険診療でピロリ菌の検査をする場合には、先に胃カメラ検査をして慢性胃炎などの診断を受ける必要があります。
ピロリ菌が陽性と判明した場合、除菌治療を行います。一次除菌では、2種類の抗菌薬と胃酸分泌を抑えるお薬(プロトンポンプ阻害薬)を組み合わせて、1週間服用します。服用終了後、約8週間後に除菌判定検査を行い、除菌が成功したかどうかを確認します。
一次除菌で除菌できなかった場合は、抗菌薬の種類を変えた二次除菌を行います。一次・二次除菌を合わせた成功率は90%以上とされており、多くの方が除菌に成功しています。除菌に成功することで、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発リスクが大幅に低下し、胃がんの予防にもつながります。二次除菌で除菌できなかった場合は、3次除菌もありますが、保険適用外(自費診療)となります。
当院では、消化器内科専門の医師が丁寧な問診と適切な検査をもとに、一人ひとりに合った診療を提供しています。院内では苦痛の少ない内視鏡検査を実施しており、胃カメラによるピロリ菌検査と胃粘膜の状態確認を同時に行うことが可能です。「胃カメラは怖い」と感じている方にも安心して受けていただけるよう、丁寧な説明と配慮を心がけています。また、健診でピロリ菌陽性を指摘された方や、除菌治療後のフォローアップも承っております。受診から除菌判定まで、一貫したサポート体制で対応いたします。
ピロリ菌は早期に発見・除菌することで、胃潰瘍や胃がんのリスクを大幅に下げることができます。「症状はないけれど念のため調べたい」「健診で陽性と言われたがどうすれば良いかわからない」という方も、どうぞお気軽にご来院ください。患者様の不安や疑問に丁寧にお答えしながら、最善の治療をご提案いたします。
ピロリ菌に感染していても、胃痛や胃もたれなどの自覚症状がない方もいます。
症状だけでは感染の有無を判断できないため、健診などでピロリ菌を指摘された方や、感染について気になる方は検査で確認します。
当院では胃カメラや尿素呼気検査など、状態に応じた検査を行っています。
ピロリ菌の検査には、尿素呼気試験、血液や尿による抗体検査、便中抗原検査、胃カメラで採取した組織を調べる方法などがあります。
当院では主に尿素呼気検査による判定を行っています。どの方法を用いるかは、これまでの検査や治療歴などを確認して判断します。
尿素呼気検査は、診断薬を服用する前後の息を採取して、ピロリ菌に感染しているかを調べる検査です。
胃カメラを挿入せずに検査でき、ピロリ菌の感染診断だけでなく、除菌治療後に菌がいなくなったかを確認する際にも用いられています。
当院でも主に尿素呼気検査でピロリ菌の判定を行っています。
ピロリ菌が陽性だからといって、胃がんと診断されるわけではありません。
一方で、ピロリ菌の感染は慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍などと関連し、胃がんのリスクにも関係することが知られています。
そのため、感染の有無だけでなく、胃カメラで胃粘膜の状態を確認することが重要です。
検査を受けた経緯や治療内容によって異なります。
保険診療でピロリ菌感染胃炎に対する除菌治療を行う場合は、内視鏡検査によってピロリ菌感染胃炎であることを確認することが必要です。
当院では胃カメラにも対応していますので、健診結果などを確認しながら必要な検査をご案内します。
一般的な一次除菌では、胃酸の分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を組み合わせ、7日間服用します。
薬を飲み終わっただけでは除菌できたかどうかはわからないため、一定期間(2か月程度)をあけて改めて判定のための検査を行います。
当院では、受診から除菌後の判定まで継続して診療しています。
薬を飲み終わった後には、ピロリ菌が除菌できたかを確認する「除菌判定」が必要です。
除菌治療後は一定期間(2か月程度)をあけて、尿素呼気検査や便中抗原検査などを用いて判定します。
当院では主に尿素呼気検査で除菌後の確認を行っています。
一次除菌でピロリ菌が残っていた場合には、抗菌薬の組み合わせを変更した二次除菌を検討します。
除菌判定の結果を確認したうえで、次の治療方法をご説明します。自己判断で同じ薬を追加して服用するのではなく、医師と相談しながら治療を進めます。
ピロリ菌の除菌に成功しても、その後に胃がんが見つかる可能性がなくなるわけではありません。
除菌後も胃粘膜の状態などに応じて、定期的な胃カメラや胃がん検診を続けることが大切です。
今後どのくらいの間隔で確認するかについては、胃の状態を見ながらご案内します。
除菌後に胃酸の逆流による胸やけなどがみられることがあります。
症状が続く場合には、逆流性食道炎などがないか確認し、状態に応じて治療を行います。当院では消化器内科で診療し、必要な場合には胃カメラで食道や胃の状態を確認できます。
逆流による症状について詳しくは「逆流性食道炎」のページをご覧ください。
更新日:
周田医院
院長 周田 光一郎
得意な診療・専門領域
保有資格
監修者紹介
1995年に医師免許を取得後、福岡大学病院、村上華林堂病院、白十字病院、福岡市医師会成人病センター(現:福岡大学西新病院)などで診療経験を積み、2005年より周田医院で診療を行っています。
一般内科を幅広く診療する一方、消化器内科・胃腸内科を専門領域とし、特に消化器疾患の診療と胃カメラ・大腸カメラによる内視鏡検査に取り組んでいます。
当院では、胃や腸だけでなく、肝臓・胆のう・膵臓などを含む消化器全般の症状について診療し、必要に応じて血液検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラなどを行っています。内視鏡検査では、胃がんや大腸がんをはじめとする消化器疾患の早期発見につなげることを重視しています。
「専門的な消化器診療」と「何でも相談できる町のお医者さん」の両方を大切にし、院内で対応できる検査を行ったうえで、さらに詳しい検査や治療が必要な場合には地域の医療機関と連携しています。
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